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データ分析記事 / 自民議席+116でも比例票は+10ポイントだけ——2024→2026年、何が本当に議席を動かしたか

Data Journalism実データ由来(グループA)

自民議席+116でも比例票は+10ポイントだけ——2024→2026年、何が本当に議席を動かしたか

同じ区割りで実施された2回の衆院解散総選挙を直接比較。自民党の小選挙区議席は132→248(+116)に跳ね上がったが、同じ選挙の比例得票率の伸びはわずか+10ポイント——大勝の裏側にあったのは票の伸びよりも野党側の分裂・再編だった。

2024年10月の第50回衆院選と、その1年4か月後の2026年2月の第51回衆院選(解散総選挙)は、同じ区割りで実施された唯一の組み合わせであり、289の選挙区を1対1で直接比較できる。自民党は289議席中132議席(2024年)から248議席(2026年)へと躍進したが、その「大勝」の中身を実データで分解すると、票の伸び以上に野党側の分裂・再編が効いていたことが分かる。

議席は+116増えたが、比例票の伸びは+10ポイントにとどまる

132 → 248

自民党 小選挙区議席

289区中

+10.0pt

自民党 比例得票率

全国11ブロック計

130区

選挙区が入れ替わった数

289区中

自民党の小選挙区議席占有率は45.7%(132/289)から85.8%(248/289)へと跳ね上がった一方、同じ選挙の比例代表の得票率で見ると自民党の伸びは+10.0ポイント(26.7%→36.7%)にとどまる。小選挙区制は得票率の変化を議席数で大きく増幅する性質があるが、それを踏まえてもこの開きは大きい。

2024年(第50回)小選挙区 289議席

  • 自由民主党 132
  • 立憲民主党 104
  • 日本維新の会 23
  • 無所属・その他 12
  • 国民民主党 11
  • 公明党 4
  • 日本保守党 1
  • 日本共産党 1
  • 社会民主党 1

2026年(第51回)小選挙区 289議席

  • 自由民主党 248
  • 日本維新の会 20
  • 国民民主党 8
  • 中道改革連合 7
  • 無所属・その他 5
  • 減税日本・ゆうこく連合 1

130の入れ替わりを「誰から誰へ」で数える

289区中130区で当選政党が入れ替わったが、その内訳は一様ではない。「どの政党の議席が、どの政党へ移ったか」を数えると、立憲民主党→自民党が96と、全体の7割以上を占める——2024年に104議席を持っていた立憲民主党が2026年の候補者名簿から消えたこと(後述の党再編)が、この移動のほぼすべてを説明する。

移動(2024年の当選政党 → 2026年の当選政党)選挙区数
立憲民主党→自由民主党96
無所属・その他→自由民主党9
立憲民主党→中道改革連合7
日本維新の会→自由民主党4
国民民主党→自由民主党4
公明党→自由民主党3
自由民主党→無所属・その他1
日本共産党→自由民主党1
自由民主党→国民民主党1
社会民主党→自由民主党1
日本保守党→減税日本・ゆうこく連合1
公明党→日本維新の会1
立憲民主党→無所属・その他1

注目すべきは、自民党側から出て行った議席がわずか2区(無所属・その他へ1、国民民主党へ1)しかないことだ。130の入れ替わりはほぼ一方通行で、「野党の議席が与党と新党に再分配された」選挙だったことが、この移動表から直接読み取れる。

鍵は与野党を横断した「中道改革連合」への合流と、公明党という党名の消滅

2024年に104議席を得ていた立憲民主党は、2026年の小選挙区データには一切登場しない。同様に、2024年に4議席・比例得票率10.9%を得ていた公明党も、2026年は小選挙区・比例代表のいずれにも候補者名が一件も現れない——単なる「小選挙区からの戦略的撤退」ではなく、党そのものが選挙に参加していないという、より大きな変化が起きている。報道によれば、公明党は2025年10月に自民党との連立を解消した後、2026年1月に所属議員が離党して新党「中道改革連合」に合流した(日本経済新聞、時事通信の報道。引用のみで、当サイトの一次データではない)。公明党が最後に議席を持っていた選挙区に何が起きたかは「公明党が2026年の衆院選から姿を消した、その議席への影響」の記事で詳しく検証している。

その結果生まれた「中道改革連合」は比例票で+18.2ポイント(0%→18.2%)という、全政党中もっとも大きい伸びを見せた——ただし報道では、この党内で「公明党出身者は候補全員当選(24議席から実質28議席へ増加)」「立憲民主党出身者は7分の1に激減」という、旧2党の運命が大きく分かれた結果だったとされる。当サイトの実データは候補者が「中道改革連合」のラベルで出馬した事実と得票・当落までしか追えず、各候補の出身政党までは持っていないため、この内訳は報道の引用として扱う。小選挙区で中道改革連合全体が獲得できた議席はわずか7——比例では自民党に次ぐ規模の支持を集めながら、小選挙区では他の野党候補(国民民主党・無所属など)との共倒れで議席に結びつかなかった構図が実データから読み取れる。この「票の分裂」の構造は「新党『中道改革連合』はなぜ得票18%で議席7しか取れなかったのか」の記事でさらに詳しく分解している。

「中道改革連合」「チームみらい」など2026年に新たに現れた党派名は、このサイトの集計では実際の党派名を個別に保持して数えている(詳細は本文末の手法注記)。公明党の党名消滅の経緯(連立離脱・合流の日付や理由)は当サイトの選挙結果データからは分からないため、報道の引用であることを明記した。

1ポイント未満の僅差で入れ替わった選挙区も

130区の入れ替わりの中には、ごく僅差の逆転も含まれる。最小は北海道10区の0.01ポイント差——立憲民主党から中道改革連合神谷ひろし氏に移った一戦だ。次いで大阪府19区では谷川とむ氏(自由民主党)が0.45ポイント差で日本維新の会から議席を奪い、香川県1区では小川じゅんや氏が中道改革連合の候補として0.49ポイント差の勝利——大再編の年でも、最後は僅差の攻防で決まる選挙区が残っている。

データを表で見る
項目補足
北海道10区0.0pt立憲民主党→中道改革連合(神谷ひろし)
大阪府19区0.5pt日本維新の会→自由民主党(谷川とむ)
香川県1区0.5pt立憲民主党→中道改革連合(小川じゅんや)
佐賀県1区0.6pt立憲民主党→自由民主党(岩田かずちか)
茨城県6区1.0pt立憲民主党→自由民主党(国光あやの)
茨城県1区1.4pt無所属・その他→自由民主党(田所よしのり)

逆に「際どく守った」選挙区と「圧勝」の選挙区

入れ替わらなかった159区も一枚岩ではない。同じ政党が守り切った選挙区のうち最も際どかったのは秋田県3で、国民民主党村岡としひで氏が自由民主党みのり川信英氏を1.45ポイント差で退けた。次いで神奈川県19区(くさま剛氏、2.96pt差)、大阪府7区(奥下たけみつ氏、4.29pt差)と続く。

反対側の極には記録的な大勝がある。2026年の全289区で最も得票率が高かったのは奈良県2区の高市早苗氏(自由民主党)で、得票率87.0%・次点との差74.0ポイントこれに神奈川県11区の小泉進次郎氏(79.5%)、石川県2区の佐々木はじめ氏(83.6%)が続く。同じ選挙の中に、1.45ポイント差の攻防となった選挙区と、8割超を1人の候補が取る選挙区が併存している——「全国的な大勝」の下でも、選挙区ごとの地力の差はむしろくっきり見えている。

この記事の数値はすべて、総務省公表の候補者別・市区町村別得票や2020年国勢調査などの公的データから、当サイトが独自に集計・計算したものです。チャートも既存の描画ライブラリではなく、このサイト独自のコンポーネントで生成しています。 手法の詳細は各セクションの注記、サイト全体の前提・データの範囲・既知の制約は 計算方法ページ に集約しています。

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