データ分析記事 / 東京都だけで議席+5——「10増10減」で得した県・損した県
東京都だけで議席+5——「10増10減」で得した県・損した県
2022年の区割り改定は、実際にどの都道府県が議席を増やし、どこが減らしたのか。最大の増加は東京都(+5、25→30区)、減った10県はいずれも−1。人口あたりの議席数(一票の重み)がどれだけ是正されたかも合わせて検証。
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- #一票の格差
- #都道府県
「10増10減」で増えた10議席のうち、半分の5議席が東京都1つに集中した——他方、減らされた10県は律儀に1議席ずつ。2022年の区割り改定は一票の格差を是正するためのものだが、その効き方はここまで一極集中的だった。この記事では2021年(改定前)と2024年(改定後)、それぞれの実際の候補者データから小選挙区の数を数え、どの都道府県が得をし、どこが損をしたのかを直接確認する。
増えたのは首都圏・愛知の5都県、減ったのは10県
289 → 289
議席総数
総数は289で変わらず
東京都 +5
最大の増加
25→30区
10県
減少県の数
いずれも−1
最も得をしたのは東京都(+5、25→30区)で、次いで神奈川県(+2)、埼玉県・千葉県・愛知県(各+1)と、いずれも首都圏・中京圏の人口集中都県。減った10県(宮城・福島・新潟・滋賀・和歌山・岡山・広島・山口・愛媛・長崎)はいずれも−1で、地方に薄く広く負担が分散する形になった。総議席数289は変わらず、増減の帳尻は完全に合っている。
データを表で見る
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 東京都 | +5議席 |
| 神奈川県 | +2議席 |
| 埼玉県 | +1議席 |
| 千葉県 | +1議席 |
| 愛知県 | +1議席 |
| 宮城県 | -1議席 |
| 福島県 | -1議席 |
| 新潟県 | -1議席 |
| 滋賀県 | -1議席 |
| 和歌山県 | -1議席 |
| 岡山県 | -1議席 |
| 広島県 | -1議席 |
| 山口県 | -1議席 |
| 愛媛県 | -1議席 |
| 長崎県 | -1議席 |
減少側の10県の選ばれ方にも実データの根拠が見える。10県はいずれも改定前の「議席1つあたりの人口」が全国平均(約44万人)を大きく下回る——つまり1票が相対的に「重い」——側の県で、例えば和歌山県は改定前31万人/議席と、減少10県の中で最も議席が「割安」だった。−1の後は46万人/議席まで上がった。逆に増加側の東京都は56万人/議席という全国最重量から47万人/議席へ下がっている。
変わった15都県は、議席あたり人口44万〜47万人の帯に収束した
この改定の効き方を最もよく表すのは、増減があった15都県の「改定後」の議席1つあたり人口だ。改定前は38万人(宮城)から56万人(東京)まで大きくばらついていた15都県が、改定後はすべて44万〜47万人/議席という狭い帯に収まっている。増やす側も減らす側も「議席1つあたり人口を全国平均付近にそろえる」方向に動いた結果で、場当たり的な増減ではなく一貫した基準が働いたことが、結果の数字そのものから確認できる。
| 都県 | 議席 | 改定前 人口/議席 | 改定後 人口/議席 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 25→30(+5) | 561,904人 | 468,253人 |
| 神奈川県 | 18→20(+2) | 513,185人 | 461,867人 |
| 埼玉県 | 15→16(+1) | 489,651人 | 459,048人 |
| 千葉県 | 13→14(+1) | 483,422人 | 448,891人 |
| 愛知県 | 15→16(+1) | 502,828人 | 471,401人 |
| 宮城県 | 6→5(-1) | 383,666人 | 460,399人 |
| 福島県 | 5→4(-1) | 366,630人 | 458,288人 |
| 新潟県 | 6→5(-1) | 366,879人 | 440,254人 |
| 滋賀県 | 4→3(-1) | 353,403人 | 471,203人 |
| 和歌山県 | 3→2(-1) | 307,528人 | 461,292人 |
| 岡山県 | 5→4(-1) | 377,686人 | 472,108人 |
| 広島県 | 7→6(-1) | 399,957人 | 466,617人 |
| 山口県 | 4→3(-1) | 335,515人 | 447,353人 |
| 愛媛県 | 4→3(-1) | 333,710人 | 444,947人 |
| 長崎県 | 4→3(-1) | 328,079人 | 437,439人 |
一票の格差は実際にどれだけ縮んだか
この改定で「一票の重み」はどう変わったか。人口を議席数で割った「議席1つあたりの人口」で見ると、東京都は改定前56.2万人/議席から改定後46.8万人/議席へと大きく下がり(=1票の価値が重くなった)、逆に宮城県は38.4万人/議席から46.0万人/議席へと上がっている(=軽くなった)。全国47都道府県の最大/最小比で見ると、改定前の2.03倍から改定後1.71倍へと格差は縮小した——ゼロにはなっていないが、確かに是正の方向に効いている。残る1.71倍の主因は、今回の改定で議席が動かなかった側(鳥取県の2議席など、これ以上減らせない小規模県)にあり、都道府県を単位とする配分を続ける限り消しきれない構造的な残差だ。都道府県別の詳しい比較は次の「一票の格差」の記事で扱う。
この記事の数値はすべて、総務省公表の候補者別・市区町村別得票や2020年国勢調査などの公的データから、当サイトが独自に集計・計算したものです。チャートも既存の描画ライブラリではなく、このサイト独自のコンポーネントで生成しています。 手法の詳細は各セクションの注記、サイト全体の前提・データの範囲・既知の制約は 計算方法ページ に集約しています。
